血栓症国際学会 ISTH2021.ORG JULY17-21 から短報 アストラゼネカ社コロナワクチンによるワクチン誘発性免疫血栓性血小板減少症の機序が一部判明した

コロナワクチンChAdOx1 nCov-19 (アストラゼネカ接種の副反応に、非常に稀ですが深刻なワクチン誘発性免疫血栓性血小板減少症 (VITT: vaccine-induced immune thrombotic thrombocytopenia) 血栓性血小板減少症があります

ISTH2021以前の合意事項は
VITTではヘパリンとは無関係に
血小板第4因子(PF4)に対する血小板活性化抗体ができる
VITTにできた抗血小板第4因子抗体は
血小板第4因子表面のヘパリン結合部位の8つのアミノ酸に結合する
VITTでは
血小板減少症と血栓症を発症する

すなわちVITTは臨床的に自己免疫性ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)に類似しています



以下は、現在開催されている血栓症国際学会 (ISTH2021.ORG JULY17-21) にて報告されたことからの短報です


1. HIT
VITTにおける血小板減少症と血栓症は異なるプロセスで発症する 
2. HIT
VITTにおける血栓症は容易にDICへ進行するが、これは血小板第4因子に対する抗体が血小板活性化だけではなく血管内皮細胞を含む血管内全系統細胞を活性化することによる

3. 血小板第4因子に対する抗体により活性化された好中球から排出されたDNAや細胞内内容物が積極的に血栓形成を亢進する。この過程を抑制する薬剤はHITVITTにおける血栓症の治療を助ける

4. HITVITTにおける血小板減少症は抗血小板第4因子抗体による

5. HITVITTにおけるD-dimer高値は血栓症よる

注意:上記の箇条書き事項はまだRevised Papersになってません

7.18.2021 初出の記事を転入しました